「蝋燭《ろうそく》をつけて参れ。 随身に弓の絃打《つるう》ちをして 絶えず声を出して魔性に備えるように命じてくれ。 こんな寂しい所で安心をして寝ていていいわけはない。 先刻《せんこく》惟光が来たと言っていたが、 どうしたか」 「参っておりました…
〜馬をはかばかしく御して行けるふうでもなかったから、 惟光が横に添って行った。 加茂川堤に来てとうとう源氏は落馬したのである。 失心したふうで、 「家の中でもないこんな所で自分は死ぬ運命なんだろう。 二条の院まではとうてい行けない気がする」と言…
「ますますごりっぱにお見えになる。 あらゆる幸福を御自分のものにしていらっしゃったころは、 ただ天下の第一の人であるだけで、 それだけではまだ人生がおわかりにならなかったわけで、 ごりっぱでもおきれいでも、 正しい意味では欠けていらっしゃるとこ…
恋の罪を犯した藤壺の宮と源氏‥ 我が子(冷泉帝)の女御に六条御息所の姫君をと考える。 恋には別れがあるが、 罪を共有する者同士には、別れはない‥ 【第15帖 澪標】 斎宮の将来をいろいろと考えている次第なのですが、 陛下もずいぶん大人らしくはなってい…
もう今は忌垣《いがき》の中の人でもなく、 保護者からも解放された一人の女性と見てよいのであるから、 恋人として思う心をささやいてよい時になったのであると、 こんなふうに思われるのと同時に、それはすべきでない、 おかわいそうであると思った。 御息…
源氏くん‥紫ちゃんは7歳よ でも、意外といい保護者してるのは偉い✌︎('ω'✌︎ ) 第5帖 若紫 外から源氏の帰って来る時は、 自身がだれよりも先に出迎えてかわいいふうにいろいろな話をして、 懐《ふところ》の中に抱かれて 少しもきまり悪くも恥ずかしくも思わ…
〜ひしひしと足音をさせて何かが寄って来る‥ 惟光が早く来てくれればよいとばかり源氏は思った。 彼は泊まり歩く家を幾軒も持った男であったから、 使いはあちらこちらと尋ねまわっているうちに 夜がぼつぼつ明けてきた。 【第5帖 夕顔】 灯はほのかに瞬《ま…
こぼれる髪の描写が 哀しい 〜 源氏自身が遺骸を車へ載せることは無理らしかったから、 ゴザに巻いて惟光が車へ載せた。 小柄な人の死骸からは 悪感は受けないできわめて美しいものに思われた。 〈中略〉 確かにも巻かなんだから、 ゴザの横から髪が少しこぼ…
「私にもう一度 せめて声だけでも聞かせてください。 どんな前生の縁だったかわずかな間の関係であったが、 私はあなたに傾倒した。 それだのに私をこの世に捨てて置いて こんな悲しい目をあなたは見せる」 もう泣き声も惜しまずはばからぬ源氏だった。 【源…
源氏の君は、きちんと筋を通して結婚相手にと申し込む✨ だがしかしっ 姫君(若紫)は、7歳だよーん 当然、先方は大困惑‥(~_~;) 〜私たちが将来結婚することを 今から許して置いていただきたいと、 私はこんなことを前から御相談したかったので、 今は悪くお…
前科ありまくりの源氏の君 さすが、世の男が危険なのはよくご存知だ( ̄∀ ̄) 女房たちを仲介にして求婚をする男は各階級に多かったが、 源氏は乳母《めのと》たちに、 「自分勝手なことをして問題を起こすようなことを宮様にしてはならない」 と親らしい注意…
女の恋は上書き保存。 源氏久々に訪ねた女人に無視こかれる 〜近ごろ隠れて通っている人の家が途中にあるのを思い出して、 その門をたたかせたが内へは聞こえないらしい。 しかたがなくて供の中から声のいい男を選んで歌わせた。 『朝ぼらけ 霧立つ空の 迷ひ…
『夕露に ひもとく花は 玉鉾《たまぼこ》の たよりに見えし 縁《えに》こそありけれ』 あなたの心あてにそれかと思うと言った時の人の顔を 近くに見て幻滅が起こりませんか」 と言う源氏の君を後目《しりめ》に女は見上げて、 『光ありと 見し夕顔の うは露…
覆面と変装したままの逢瀬 源氏は夕顔に夢中になる(。・ω・。) 源氏は自身で、気違いじみたことだ、 それほどの価値がどこにある恋人かなどと反省もしてみるのである。 驚くほど柔らかでおおような性質で、深味のあるような人でもない。 若々しい一方の女である…
第4帖 夕顔 いろいろに咲いた植え込みの花に心が引かれるようで、 立ち止まりがちに源氏は歩いて行く。 非常に美しい。 廊のほうへ行くのに中将が供をして行った。 この時節にふさわしい淡紫《うすむらさき》の薄物の裳《も》を きれいに結びつけた中将の腰…
箒木 ははきぎ 並み並みの男であったなら できるだけの力の抵抗もしてみるはずであるが、 しかもそれだって荒だてて多数の人に知らせることは 夫人の不名誉になることであって、しないほうがよいのかもしれない。 こう思って胸をとどろかせながら従ってきた…
人妻に夜這いをかける源氏 「貴女が中将を呼んでいらっしゃったから、 私の思いが通じたのだと思って」 と 源氏の宰相中将は言いかけたが、 女は恐ろしがって、 夢に襲われているようなふうである。 「や」と言うつもりがあるが、 顔に夜着がさわって声には…
「宮様がおいでになった時代に、 なぜ私は心細いお家《うち》だなどと思ったのだろう。 その時よりもまたどれだけひどくなったかもしれないのに、 やっぱり私らは我慢して御奉公している」 その女は両|袖《そで》をばたばたといわせて、 今にも空中へ飛び上…
乳母のお見舞いの後だけど、女性のチェックは怠りない(⌒-⌒; ) 夕顔の花の女君のことを惟光これみつに調べさせる光る君 「病人がまだひどく衰弱しているものでございますから、 どうしてもそのほうの手が離せませんで、失礼いたしました」 こんな挨拶をしたあ…
花が茎の末の方から咲きはじめるのを順次摘み取るところから末摘花すえつむはな(ベニバナ) 普賢菩薩の乗り物のような長い鼻 おまけに 赤いので末摘花(ベニバナ)の姫君 光る君‥妙齢の姫君を表現するのに、これはないんでないかい(⌒-⌒; ) しかし、源氏は女…
この間 うち少し癒《よ》くなっていたようでした病人に またにわかに悪い様子が見えてきて 苦しんでいるのを見ながら出られないのです。 とあるのを、例の上手な口実である、と見ながらも御息所は返事を書いた。 〜中略〜 幾人かの恋人の中でもすぐれた字を…
「母や祖母を早く失《な》くした私のために、世話する役人などは多数にあっても、 私の最も親しく思われた人はあなただったのだ。 大人になってからは少年時代のように、 いつもいっしょにいることができず、 思い立つ時に すぐに訪ねて来るようなこともでき…
源氏と熟女(源典侍 げんのないしのかみ)との共寝の現場に 頭中将が踏み込む((((;゚Д゚))))))) 何やってんだか 〜自分であることを気づかれないようにして去ろうと 源氏は思ったのであるが、 だらしなくなった姿を直さないで、 冠《かむり》をゆがめたまま逃…
「ちょいと」と源氏が言ったので、 不思議がって探り寄って来る時に、 薫《た》き込めた源氏の衣服の香が顔に吹き寄ってきた。 中将は、これがだれであるかも、何であるかもわかった。 情けなくて、 どうなることかと心配でならないが、 何とも異論のはさみ…
常陸の太守であった親王(兵部大輔はその息《そく》である)が 年をおとりになってからお持ちになった姫君が 孤児になって残っていることを何かのついでに命婦が源氏へ話した。 気の毒な気がして源氏は詳しくその人のことを尋ねた。 「どんな性質でいらっし…
そのうち風が穏やかになり、 雨が小降りになって星の光も見えてきた。 そうなるとこの人々は源氏の居場所が あまりにもったいなく思われて、 寝殿のほうへ席を移そうとしたが、 そこも焼け残った建物がすさまじく見え、 座敷は多数の人間が逃げまわった時に…
源氏物語‥ちょっとした部分に当時の様子が垣間見えます 日が暮れると 今みたいに照明もないし ぱっと見の背格好で判断するしかないのよね お腹下したおばあちゃんに 背の高い女房と間違えられた源氏 源氏物語、ちょっとしたところに 個性の強いモブが出てき…
のぞきは犯罪だよ おまわりさんこいつですっ 碁を打つ女君達を覗き見る源氏 ( ̄(工) ̄) 〜袖で十二分に口のあたりを掩《おお》うて 隙見男《すきみおとこ》に顔をよく見せないが、 その今一人に目をじっとつけていると次第によくわかってきた。 少し腫《は》…
子どもに夜這いの手引きをさせちゃダメ〜 「あんな無情な恨めしい人はないと私は思って、 忘れようとしても自分の心が自分の思うようにならないから 苦しんでいるのだよ。 もう一度 逢えるようないい機会をおまえが作ってくれ」 こんなことを始終小君は言わ…
源氏は、女君それぞれの美点を尊敬し認めている これ、案外すごいことかも 〜何に動揺することもなく 長く留守の間を静かに待っていてくれた花散里を、 源氏は信頼している 全文はこちらです。ぜひご覧ください 聴く古典文学少納言チャンネルは、聴く古典と…